芝生に肥料を与える場合は栄養分のバランスに注意してください。芝生に限らず、植物の生育にとって重要な栄養素とは、窒素(チッソ)・燐酸(リンサン)・カリウムで、これらを植物の三大栄養素と呼びます。それぞれ、アルファベットでN(チッソ)・P(リンサン)・K(カリウム)と略して記述される場合もあります。芝生へ肥料を与える場合は、肥料の与えすぎによる「肥料焼け」に注意しましょう。また、窒素の量が多すぎる場合には、芝生が軟弱化する場合もありますので、配合や量に注意します。 芝生に美しい緑を保たせるには、時期、配合、量に注意して適切に施す必要があります。 |
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【肥料の分類】
肥料の分類としては、効果の現れ方によって、「速効性」と「緩効性」に分類されます。
速効性の肥料は、主に春・秋の追肥に利用し、効果の現れるのが早く、持続期間が短いのが特徴です。液体の肥料(液肥)の場合には、その特徴が更に顕著に現れます。
緩効性の肥料は、主に元肥や夏季の施肥に利用します。その名の通り、緩やかに効果が現れ、持続期間が長いのが特徴です。
【肥料の種類】
肥料の種類としては、原料・製法によって有機系と化成系に分類され、化成肥料を液化した液体肥料などもあります。
有機系肥料は、動植物性の油かすや灰、骨粉、糞などの有機質を原料として作られています。主に芝生を張る前準備として使う元肥などに利用されます。さまざまな栄養素が含まれているため、芝生に限らず、まず最初の土壌作りに適しています。
化成系肥料は、化学合成された肥料を指します。配合によって様々な種類や製品が存在します。有機系の肥料とミックスした肥料(有機配合などと記載されています)も存在します。粒状・液状の形状があり、更に速効性・緩効性へ分類され、用途によって使い分けます。
速効性の肥料は、主に春や秋に利用し、粒状肥料を追肥として利用します。夏の施肥には、緩効性の肥料を利用します。液状の肥料は特に効果が早く現れ、主に生育障害などへの対応に使います。また、液肥は一般的に濃縮されているため、水で薄めてから使います。
【施肥の時期】
芝生が栄養分を必要とするのは、
「芝生が旺盛に成長する時期」や「越冬のための栄養分を貯えようとする時期」です。実際の時期としては、年3回なら、だいたい4月・6月・8月に施します。
初心者には、施肥しやすく肥料あたりをおこしにくい芝生専用の化成肥料がオススメです。芝生専用の化成肥料が手に入らなければ、三大栄養素(N-P-K)が同じ比率(8-8-8などと記述されています)の化成肥料でも代用できます。量としては、だいたい1平米あたり50g程度(大人の手で一握り程度)を、芝生に対して均等になるようまきます。生育期などは、施肥の回数を増やすとそれだけどんどん生育しますが、当然芝刈りの回数も増やす必要が出てきます。また、施肥の量が多すぎると雑草や害虫などのトラブルが発生しやすくなり、肥料やけや軟弱化などの弊害も出てきますので、肥料のまきすぎには注意してください。また、秋の施肥は遅くとも9月には終わらせるようにしましょう。それ以降に施肥すると窒素過多によるトラブルが発生する危険性が高まってしまいます。
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芝生のお手入れ
※芝生の種類や芝生の張り方については、別ページにて解説しています。 |